業務用エアコン、施工時のポイント徹底解説

2024.02.14

同じエアコンと言っても、業務用エアコンと家庭用エアコンでは施工の難しさは違います。
業務用エアコンの方が、家庭用のそれと比べて配慮すべき点が多数あると言ってよいでしょう。配管の溶接や電源の接続など、家庭用に比べて工事の内容は多様です。

そんな業務用エアコン工事だからこそ、プロとして当社が気をつけていることをお伝えしたいと思います。

(1)お施主様の要望にできるだけ応えるために、綿密な打ち合わせ

業務用エアコンの施工では、施工時の品質も大事ですが、それ以上に事前の綿密な打ち合わせが重要になります。
お施主様がエアコン機器や工事に対して、どのような要望を持っていらっしゃるかを適切に把握する必要があります。例えば、オフィスが稼働している間に施工したい、そのため騒音や汚れはできるだけ避けたいというニーズであったり、できるだけ省電力化が図れる機種を選びたいであったり、お施主様によってニーズは千差万別です。
また、事前打ち合わせで業務用エアコンを取り付ける場所の状況をしっかり確認することも重要です。現場調査を綿密に行うことで、施工時のミスを防ぎ、施工時間の短縮化が図れます。

特に次のような点を確認した上で打ち合わせを行います。

・竣工図面など、設計図書の確認

建物完成時には、お施主様に対して竣工図面が交付されます。この竣工図面(設計図書)には、建物のさまざまな図面が含まれています。なかでも電気配線図や断面詳細図、梁伏図(はりぶせず)などが重要です。これらがあれば、業務用エアコンがどのような設置をされているか、配線が室内をどのように通っているかなどの検討が可能です。

・取り付け場所の目視確認

いくら竣工図面があったとしても、その後改修や改装を経ていると図面と実際が異なるケースはよくあります。そのため、図面をもとにした目視確認も重要です。目視確認では、電気配線や配管の劣化状況なども確認します。

・導入するエアコンについてのニーズ確認

家庭用エアコンは、ほとんどの場合、壁掛け型ですが、業務用エアコンは多様な形態があります。
天井と一体になっている見た目のものとして、「天井カセット形」があります。このタイプは風の吹き出し口が何方向あるかで、さらにタイプが細分化します。また、「天井吊形」や、エアコン本体は天井内に設置し、吹き出し口を別の場所に構える「ビルトイン形」などもあります。

業務用エアコンは、家庭用エアコンと比較して、多様な形態があると言えます。
そして、設置場所や用途によって適切な馬力を選定することも大事です。使用する部屋の造りや用途などによって、必要となる馬力は異なるため、打ち合わせではしっかりとしたヒアリングを行います。

(2)適切な機種選定。エアコン機種、特徴のわかりやすいプレゼン

すでに形態が多様なのが業務用エアコンだということは説明しました。しかし、形態だけではなく、馬力、より具体的に言えば室内を冷やす・暖める能力で見ても多様なラインナップがあるのが業務用エアコンです。しかも、家庭用エアコンと違って、家電の比較サイトなどがないため、メーカーや機種ごとに特徴を把握することも簡単ではありません。

このような専門性のある業務用エアコンでは、プロの目利きが重要です。当社では、できるだけわかりやすいプレゼンを心がけています。内容をしっかりご理解いただき、満足していただける機種選定のサポートを行います。

・基本的な馬力(能力)の選定

いったいどの程度の馬力のエアコンを選べばよいのか?

この点については、目安になる計算法があります。
実は、エアコンの能力を算出するために「環境&広さによる1㎡当たりの熱負荷」があります。それにエアコンを設置する場所の広さをかけ合わせると必要な馬力が算出されます。
例えばオフィス用途の場合、熱負荷はメーカーによって異なりますが、ダイキンの場合は105〜230W/m²と設定されています。放熱の多いOA機器の設置量にエアコンに求められる馬力が異なるため、結果として熱負荷に幅が生じます。広さが50㎡なら、105〜230×50=5250〜11500Wとなり、5.25〜11.5kWのエアコンを用意すればよいと導き出せます。
もっとも、その場所にいる人の数や、人の出入り、開口部の多さ、建物の構造などによって業務用エアコンの効きは変わります。使用場所の状況を踏まえてしっかりご提案いたします。

・施工場所の制約による選定

天井の構造や、配管・電気配線の状況、あるいは室外機の設置場所の広さなど、業務用エアコンを設置する場合、さまざまな場所の事前チェックを行います。そして、「ご希望の業務用エアコンを導入できるか」を綿密に考えます。
まず、既存の業務用エアコンのサイズから導入可能なものを検討します。サイズや設置方法が大きく異なる場合は、ご希望に沿えない場合がある点はご注意ください。
また、例えば、馬力のある業務用エアコンを導入したいとしても、大型の室外機を置くスペースが足らないということもあります。あるいは、平面としてのスペースは確保できるけれども、十分排気できるような空間が確保できないこともあります。

室内だけではなく、配管や配線、室外機など業務用エアコンに関連する設備面での制約がないかを確認し、あればその内容をわかりやすくご説明して、適切な機種選定をサポートします。

・機能面からの選定

家庭用エアコンの場合、人感センサーやタイマー機能など、ユーザビリティ面での機能が充実したモデルが目立ちます。一方、業務用エアコンは基本的には冷やす・暖めるという機能に特化していると言ってよいでしょう。もっとも、昨今のモデルの中には家庭用エアコンに似た機能を持たせたものもあります。

「例えばこういう機能を持ったエアコンはないですか?」というご質問があれば、お調べして選定のサポートを行います。

(3)お打ち合わせにもとづく、最短・最適なエアコン施工

実際の施工では、お打ち合わせにもとづいて最短・最適な方法で施工を行います。
汚れないように丁寧に養生を取って、音の出る作業を行う場合はその旨をお伝えするなど、「その場にいる方、その場を管理される方」に配慮した施工を心がけています。
また、施工時に用いる部材は高品質&高耐久モデルを用いています。どれだけ業務用エアコンが長寿命のモデルであっても、施工品質が低く、部材がすぐ傷んでしまっては意味がありません。部材に至るまで高耐久モデルを用いて、適切な施工をすることで、安心・安全にご使用いただけると考えています。

細部に至るまで手を抜かない施工が自慢です。

(4)施工後の徹底したチェック

業務用エアコンでは、実際の施工も大事ですがその後に施工内容の徹底チェックをすることも重要になります。それは、業務用エアコンは家庭用エアコンと比べて、施工内容が多様で複雑だからです。
代表的な内容で見れば、業務用エアコンの場合、冷媒ガスの配管では溶接を行います。これは家庭用エアコンにはない工程です。この溶接にミスがあると、そこからガス漏れが起きて冷えない・暖まらないという事態になってしまいます。
当社では、工事終了後に耐圧試験という検査を行います。冷媒ガスのかわりに窒素を充填し、溶接部分に圧力がかかっても耐えられるかどうかを確認するものです。試験の時間はかかりますが、長期間安心して使っていただくために必ず行います。
また、業務用エアコンは馬力があるため家庭用エアコンと比べても、大量の排水が生じます。しかも、業務用エアコンの場合、天井裏にドレン配管があることが多く、漏れが生じると室内に被害が出てしまいます。そうならないように、配管の勾配はしっかり確保し、排水の接続部は入念に確認を行います。

このように、当社では事前の打ち合わせから、機種の選定や施工後のチェックなど、お施主様が安心してご依頼いただける環境を整えています。
ぜひお気軽にお見積りや現場調査のご依頼をいただければと考えます。

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